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めまぐるしく変化する状況についていけない。
混乱した気持ちを落ち着かせるため深呼吸すると、腕の中にある船鐘が小さくカランと鳴った。
今思えば、それは警鐘だったのだろうか。
シャインの耳が銃声を捕えた途端、船鐘を抱える左腕と肩に焼け付くような痛みが走った。
炎上する武装船に気を取られ周囲への注意を怠った。
自分の失態を認識するよりも先に、シャインの体は仰向けに甲板に倒れていた。
誰だ。
気配を感じて首を動かす。
「そいつを渡してもらおうか」
艦長室で出会った襲撃者とは違う、若い男の声が頭上から聞こえた。
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