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◇◇◇
「大丈夫?」
この場に似つかわしくない澄んだ少女の声がシャインの耳元で囁いた。
朧げな意識の中、シャインは重く感じる瞼を開いた。
「しっかりして」
どうやら少し気を失っていたようだ。
誰かが自分の顔を覗き込んでいる。シャインは声が聞こえた方へ首を動かした。
「……君……は」
緩やかにうねる長い紅髪をふわりと揺らし、透き通った水色(アクアマリン)の瞳がシャインの顔を心配そうに覗き込んでいた。
年のころは十七、八才ぐらいの少女。
シャインは我に返った。
彼女だ。
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