1-2 精霊の少女

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「俺の名前は」 「知っているわ。シャイン・グラヴェール」 「どうして、俺の名を?」 「皆からそう呼ばれていたのを見てたから」  ああそうか、とシャインは思った。  やはり彼女はこのアイル号の船の精霊なのだ。 「くっ」  左肩に回した襟飾りを少女――レイディが結んでいる。 「ごめんなさい。痛かった?」 「大丈夫だ。ありがとう」  息を吐きシャインはレイディに微笑した。  彼女は眉根を寄せ不安げな顔をしていたが、シャインの笑顔に安心したのだろう。  緊張を緩め笑い返してきた。  彼女がいるせいなのか、不思議と心が落ち着くのを感じた。  冷静さを取り戻したシャインは、ようやく周囲を見渡した。
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