1-2 精霊の少女

15/18
前へ
/372ページ
次へ
「そうです」 「くそっ――私は見ての通りだ――ううっ」 「副長。すみません」  シャインは膝をついたままうなだれた。  ヘルムの足を押しつぶしている帆桁は重量があり、肩の負傷がなくてもシャイン一人の力ではどうすることもできない。 「わたしが、やってみるわ」 「レイディ?」 「多分、動かす事ができると思うの」  レイディの言う意味がよくわからない。  だが彼女はヘルム副長の両足の上に落ちた帆桁に近づくと、両手を広げて目を閉じた。  彼女の足がふわりと床から宙に浮いた。
/372ページ

最初のコメントを投稿しよう!

331人が本棚に入れています
本棚に追加