1-2 精霊の少女

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「シャイン、待って」  シャインの隣にレイディがふわりと飛んできた。 「私が船を動かすわ」 「えっ?」  彼女を信じないわけではない。  彼女はまぎれもなくアイル号の船の精霊だろう。 「大丈夫。あなたが行きたいと思う場所に私が船を動かすわ。手を出して、シャイン」  シャインは舵輪から手を離し、黙って右手をレイディに伸ばした。  華奢な指がシャインの掌を包み込む。 「アスラトルまでの帰り方を頭の中でイメージするだけでいいの。後は私がやるから」 「……わかった」  シャインは目を閉じた。  母港アスラトルを出港したのは僅か三日前だ。  しかもずっと南西風を受けて北東寄りで来たので、帰りはその逆に進めばいい。
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