1-2 精霊の少女

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「私に風は影響しない。アスラトルまでの最短航路を示して!」  レイディの手が熱い。  まるで彼女に自分の体温をすべて奪われているみたいだ。  悪寒がシャインを襲った。  歯がかちかちと鳴った。 「最短航路は……まず西へ……エルシーア大陸が見えたら……南に転針して陸沿いに進む……エルドロイン河の河口が見えたら港はすぐだ……」  そうレイディに言ったのは覚えている。  だが闇の海がシャインの目前に迫り、あっという間に意識が暗闇の波へと攫われていった。
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