1-3 起動

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「ご報告にあがりました」  ロイスは扉の前で恭しく一礼した。 「お前らしくない失態だな」  開口一番、執務席に座る将官が明らかに落胆の意を込めた口調でつぶやいた。 「申し訳ございません。思わぬ邪魔が入ったのものですから」 「その件はまた後で調査してもらおう。それよりも」  手招きされたのでロイスは執務席へと近づいた。  依頼主の将官は、猛禽を思わせる鋭い水色の瞳でロイスを見つめている。  心の奥底まで見透かすような――。  この男に隠し事はできない。彼は自分の他にも自由に動かせる情報網を持っている。  ロイスの背筋に緊張が走った。
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