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「おかげさまで、大分良くなりました」
「そうか……でも、肩の方はまだ時間がかかりそうじゃな」
ホープの視線はシャインのシャツの襟元から覗く包帯に注がれている。
シャインはそっと右手を左肩に添えた。
「鎖骨を折ってしまって、くっつくまでもう少し時間がかかるみたいです。だからまだ重いものは持てませんが、肩の筋肉が固まらないよう、動かした方がいいそうです」
「なるほど。まあ、無理はするなよ。見舞いに来るのが遅くなってすまなかったな」
「いいえ。来てくださってうれしいです。何しろひと月もここに閉じ込められていますから、ちょっと退屈していたんです」
「そうかそうか。実はそうじゃないかと思って、いいものを持ってきたぞ」
「えっ」
「まあ座れ」
「あ、はい」
シャインとホープは木の長椅子に並んで腰掛けた。
実はシャインは気になっていた。
ホープが右手に長細い円筒形の筒を携えていることに。
それは造船技師たちが船の設計図を保管するために使う入れ物だからだ。
食い入るように見つめるシャインの視線に気づいたのか、ホープが件の入れ物の蓋に手をかけてそれを開けた。
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