1-7 命名式

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 まさか新造船の甲板で、彼が船大工の真似事をしているとは思わなかった。  そもそも自分の船の建造に参加する艦長なんてきいたことがない。  けれどそれは本来称えるべき行為だろう。  彼はその若さで、真に船の事を理解する方法を知っていたのだから。  ジャーヴィスはその事実に気付いて愕然となった。  完成した船の表面を眺めた所で何がわかるというのだ?   船体を組み立てる工程を、一から見てきた彼と自分の間には、決定的な差がすでに生まれている。  いざとなったらこの船は自分がなんとかするしかない。  そこまで考えていたジャーヴィスは、急に恥ずかしくなって、逃げるように彼の前から立ち去ったのだった。
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