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「だって会長さんから聞いて、びっくり……して……。」
「お母さん……。心配かけてすまんな。とりあえず水飲みなよ。」
お父さんはそういうと、お水をコップに汲んで、お母さんに渡した。
「お父さん……ありがとう。」
そう言ってお母さんはコップの水に口をつけた。
「うっ、まずい……」
そのまま、水をコップに戻してしまった。
「お母さん?!どうしたの?!具合わるい??いっぱい走ったからお水飲めなかったの???」
わたしはびっくりして聞いたけど、お母さんはぷるぷる震えている。
「おい!お母さん!!大丈夫か!!」
お父さんがあわててかけより、お母さんを抱きしめている。
「お父さん、大丈夫よ、ちょっとお水の味が悪かっただけだから……」
「まってよお母さん、お水だよ?味が変なわけないよ???」わたしは言った。
「いや、きっとまずまず団のせいだ……。俺が水を汲んだから。水までまずくしてしまうなんて……。俺はもう料理ができないかもしれない……。」
お父さんは深刻そうに言った。
「そんな……。信じられないよ!じゃあわたしもおんなじふうにお水汲んでくるから、お母さんそれ飲んで!!」
コップに汲んだ水をお母さんに飲んでもらうと、お母さんは「うん、いつものお店のお水」と言ってくれた。
「すこしさっぱりしたわ。ちいか、ありがとう。でも、これでわかったわ。まずまず団ってとっても恐ろしいのね……。お店もできないし……。困ったわね……。」
「ねえ!お父さんがさわったりしたら食材がまずくなっちゃうんだよね?じゃあさ、お父さんに指示してもらって、わたしがお料理したらどうかな?お店できないかな???」
「ちいか……!!確かに、レシピは俺の頭のなかにある、それにちいかはいつも手伝いしてくれてるもんな!!二人で店をやるか!!」
「うん!!二人で!!お父さん!!頑張ろう!!」
わたしとお父さんはぎゅっと抱きあ……おうとしたところを、お母さんに止められちゃった……。
「あんたたち、ちいかの学校はどうするつもりなの?」
「「あっ」」
わたしもお父さんも、学校のことをすっかり忘れていたのでした……。
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