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「美味しいご飯をまずくしちゃうなんて、しかも料理人に料理を作れなくしてしまうなんて……。まずまず団、本当に悪いやつらね!!光が丘のレストラン街がなくなってしまったのもそいつらのせいだったら……。これは日本の食文化の損失よ!!絶対に許せないわ……!!」
怒っているんだけど、ほっぺたが小さいこみたいに膨らんでいて、美人なお姉さんもこんなふうに怒るんだなって、じーっとほっぺたを見つめてしまった。ちょっと見すぎたのか気付かれてしまった。
「あっ、ちいかちゃん!!もしかして私のほっぺた膨らんでる???もーやだー。子どもっぽいからやめたいのに、癖になってるのよね。恥ずかしい!」
綺羅星さんは照れて、手を顔の前でぶんぶん振っている。
「あの、綺羅星さん、わたしはお父さんに料理を教えて貰おうと思っているんです!!それでまたお店を再開できたらなって!!でも、またまずまず団がきたらどうしようとか、お父さんがずっとこのまま料理ができないなんて嫌だなって……」
わたしは不安に思っていることを綺羅星さんに伝えた。
「そうね、私にできること何かないかしら……。そうだわ!光が丘の過去に取材させてもらったお店に連絡つかないか調べてみるわ。そして、まずまず団について、聞いてくるわ。地域の人たちも、うわさ程度なら知っているかもしれないし……。なんにせよ、情報が少な過ぎて対策できないものね。一応情報収集のプロだから、やってみるわ!」
わたしたち家族の顔がぱっと明るくなった!!
そうだ、何かわかれば、出来ることがあるかもしれない!!
「綺羅星さん!!お願いします!!」
家族みんなでお願いした。
「今日明日って訳にはいかないけれど、取材の合間に調べてみます。何か分かり次第すぐご連絡しますね!!」
お母さんが綺羅星さんと携帯電話の番号を交換して、それから綺羅星さんは
「うーん。やっぱりラーメン食べたかった~!!絶対まずまず団やっつけて、またラーメン作ってくださいね!!協力しますから!!ではまた!!ご連絡します!!」
そう言って、お店をあとにした。
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