9人が本棚に入れています
本棚に追加
「えへへ、実はそうなんだ。だからまだ早いけど店じまいして、これからおうちに帰るところなんだ。めぐちゃんは1人なの?おじさんとおばさんは?」
「うん……。なんか、急に具合が悪くなったみたいで、パートさんたちがおうちまで送ってくれたんだけど……。ちょっと寝込んじゃってて。私がお休みのお知らせだけ貼りにきたの。」
「めぐちゃん、ひとりで偉いねぇ。」
お父さんがめぐちゃんを褒めると
「いえいえ、とんでもないです。当たり前のことですから。」
とめぐちゃんはニッコリ笑った。
とんでもないですなんて、使い方わからないよ~。やっぱりめぐちゃんは大人だなぁ。
「めぐちゃんもう帰るだけ?だったら、マンションまで一緒に帰ろうよ!」
「そうね、なんだか今日は物騒なひとがうろついてるみたいだし、よかったら私たちと一緒に帰りましょ!」
お母さんも言った。
「はい、ありがとうございます。なんだか、今日の商店街ってちょっと暗くて……、お父さんとお母さんも倒れちゃうし、なんだか不安で……。」
いつもオシャレで優しいめぐちゃんがしょんぼりとしていると、わたしまでなんだかしょんぼりしてきちゃった……。でも、だめだめ、そんなのまずまず団の思うつぼだ!!
わたしはめぐちゃんと手を繋ぐと
「めぐちゃん、大丈夫だよ!お父さんお母さん、きっとよくなるよ!」
と、めぐちゃんを励ましたくて、ニッコリ笑いながら言った。
「うん、ちいかちゃん、ありがとう。」
めぐちゃんも笑顔を返してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!