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「あら、もしかして見えない?店主急病のため、しばらくの間お休みさせて頂きます、って書いてあるわよ。」
「ありがとうございます……!病気かぁ。大変そう……。」
わたしもお父さんが病気になっちゃったら……と想像して、怖くなっちゃった。
「ねぇ、あなたこの辺りの子?カレー屋さんお休みだから、どこか美味しいお店ないかしら?」
「あっ!はい!!それなら!うちラーメン屋なんですけど!!」
「うーん、ラーメンはパスね、オシャレな洋食屋さんがいいわ。」
うっ、さすが綺麗なお姉さん……。確かにうちのお店にこんなキラキラした人来ないもんなぁ……。
「あっ、ごめんなさいね、あなたのおうちが嫌っていうわけじゃなくて、私、雑誌の取材で洋食屋さん特集の記事を書かないといけないの。」
そう言って、お姉さんは名刺を渡してくれた。
「月刊グルメ編集部、綺羅星……さら……さん?!月刊グルメってあの?!とっても有名な!!!わたしのお店にも置いてあります!!!わー!!すごーい!!」
「あら!読んでくれてるの?ありがとう、嬉しいわ!!」
そう言って、お姉さん……綺羅星さんはわたしの両手をぎゅっとにぎってくれた。
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