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ちいかとまずい水
「じゃあ、松園さん、ちいかちゃん、まずまず団に気をつけてね。とにかく今日はゆっくり休んで。変わったことがあれば、すぐ連絡してくださいね。」
商店街の会長さんはそう言って、お店をでていった、お店をでてすぐ誰かと話している声がしたので、電話していたのかもしれない。
お店のなかは、本当についさっきまで誰かがいたのに、神隠しにでもあったみたい。
怖い映画みたいな。
テーブルの上にはラーメンの丼やチャーハン、お茶のコップ、ついさっきまでみんながワイワイ楽しくご飯を食べていたのに……
そこから人間だけがフッと消えてしまったような……
いけないいけない、お片付けしなくちゃ。
「お父さん……、テーブル、片付けるね!!」
「スープこぼすなよ、気をつけてな。」
「うん!まかせといてよ!!」
いつもなら、空っぽのどんぶりを片付けるのに、スープだけじゃなくて麺まで残っているのを片付けるのは気が重たかった……
二人でお片付けしていたら、ガラッとお店の引き戸が開いた。
「すみません、今日は臨時休業で……って、お母さん???」
「ちいか!!お父さん!!大丈夫?!」
「お母さんこそ大丈夫???ぜーはーしてるじゃん!!」
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