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 夏紀は考えるように一寸間を置いて、 「そんなに待たなくても、お正月は一緒に過ごしましょう。そっちへ行くわ」 「え、」  秋鹿は目を瞬かせた。 「私もそっちでお正月を迎えるわ」 「本当に?」  あれだけハルのことを拒んでいた夏紀が、こんなことを云うだなんて。二人の関係が、良い方向に変化してきているのだろうか。 「ええ、本当に」  夏紀ははっきりと答えた。遠くで外国語が聞こえた。 「じゃあ、そろそろ切るわね。本当にお誕生日おめでとう、秋鹿。またお土産を買ってくるから、愉しみにしてて」 「ありがとう、おやすみなさい……あ、そっちは違うのかな、」  夏紀は笑った。「おやすみなさい、秋鹿」  ざわざわとした気配を耳に残して、電話は切れた。
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