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 銀河は尻尾を揺らめかせた。 「秋鹿、嬉しそうだな」 「うん、すごく嬉しい」  秋鹿は布団の上に寝転がった。 「……父さんもいればな」 「秋鹿?」  小さく漏れた呟きに、銀河が(くび)を傾げる。秋鹿は微笑んだ。 「ううん、何でもない。宿題しないと」  起き上がり、机に向かう。銀河がつまらなそうに云った。 「また宿題か。秋鹿、宿題を消してやろうか、」 「消してほしいところだけれど、仕方無いよ」  秋鹿は苦笑して、ノートを開いた。
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