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 明くる日、学校から早足で帰宅した秋鹿は、店に入るなりハルに訊ねた。   「ただいま。おばあちゃん、何か届いてない?」 「お帰りなさい、秋鹿。今日も急いで帰ってきたの?」  ハルは目を(まる)くする。秋鹿はきれぎれの息で、カウンターの上を確認する。ハルも郵便物の束に目をやって、かぶりを振った。 「いいえ、秋鹿宛てには何も届いていませんよ」 「そう……」  秋鹿は大きく溜息をついた。
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