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 実のところ、一刻も早く図書館へ向かいたかった。秋鹿は二階へ駆け上がって自分の部屋に入ると、大急ぎで着替えて再び階段を駆け下りた。いったん秋鹿の肩を離れた銀河が頸に巻きついて、 「俺もついていく」  うん、と、秋鹿は頷いた。「おばあちゃん、行ってきます」 「はい。気を附けて行ってらしゃい」  図書館は学校とは真逆の街の方にあった。あわてて帰ってきてあわてて飛び出してきたので喉がからからだ。途中で自動販売機でお茶を買い、銀河と分け合って飲んだ。小腹も空いているが、夕飯まで我慢だ。とにかく今すぐに本を手に取ってつくづく眺めたい。  帰宅した時と同様、息を切らしながら図書館に入った。すれ違った女性が不思議そうに秋鹿を見たので、(はずか)しくなった。呼吸を落ち着かせてから、貸し出しカウンターへ行って予約の本を受け取った。
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