3

3/17
606人が本棚に入れています
本棚に追加
/292ページ
「間違えてたら本当にごめんね」  心配になって秋鹿がもう一度云うと、 「良いって良いって」 「ありがとな、アキ」  皆はたいして気にもせずに礼を云って、去っていく。久坂だけが秋鹿の元に残った。 「そうだ、アキ。『アズライト』の新作映画が来年の一月に公開されるって識ってるか?」 『アズライト』とは、二人が大好きなアニメーション映画『アズライト皇国綺譚』のことである。二人が仲良くなるきっかけとなった映画だった。 「え、本当? はじめて識った」 「俺も昨日識ったんだ。まさか続編やるとは思わなかったよ」  秋鹿も続編を望んでいたが、おそらく無理だろうと思っていた。それだけに喜びは大きい。
/292ページ

最初のコメントを投稿しよう!