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「うん、すごいね。でもDVDが出るまで待たなくちゃいけないから、実際に観られるのは一月よりずっと先かなあ……」
このあたりには映画館がなく、最新の映画を観るには電車や車で二時間以上かけて別の街に行かなければならない。久坂も溜息をついた。
「待てないよなあ」
「うん、待てない」
秋鹿は同意する。久坂は腕組みをし、顔を斜めに傾け、また秋鹿の方へと戻した。
「冬休みにさ、観に行こうか。電車乗って」
「え？」
「お年玉を当てにすれば、行けるはずだ」
久坂は自分でうんうんと頷き、「無理か？」
秋鹿は烈しくかぶりを振った。
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