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秋鹿はキッチンへ行って、冷蔵庫を開けた。ハルの作ったケーキがたくさん入っている。麗ら彦たちが来ないので、減らないのだろう。秋鹿はチーズケーキを皿に取った。キッチンから顔を覗かせて、
「おばあちゃんも、食べる?」
ハルは入り口に目をやって、
「そうね、誰もいないし」
いたずらっぽく笑った。秋鹿はチーズケーキをもうひと切れ皿にのせると、生クリームを添えて、カウンターへと運んだ。
「秋のケーキを考えてたの?」
開かれたままの本を見て、秋鹿は訊ねた。
「ええ、何が良いかなと思って。秋鹿はどう思う?」
秋鹿はケーキをひとくち食べて、考える。
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