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 そう云えば、と、秋鹿は気が附く。 「ふたりとも、最近パトロールの時間が長くない?」  いつもは秋鹿が学校から帰ってくる頃には、ふたりも店に戻ってくる、もしくはすでに店にいる。なのにここ最近は、店の閉まる頃に戻ってくる。  日暮れも早くなってきたし、あまり遅いのは危険じゃないかと秋鹿は思った。 「うん、俺たち最近いっぱいパトロールしてるんだー」  茶漬けが口の周りを嘗めながら答える。しかし、助六がすかさずそれを否定する。 「そんなことはない。普段どおりだ」  横目で茶漬けを見る。茶漬けは頸をすくめた。 「……うん、普段どおりかも」 「どっちなの、」  秋鹿は笑った。何だかおかしなふたりである。
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