1

2/15
606人が本棚に入れています
本棚に追加
/292ページ
 ちょっと前までは月曜日はいつも憂鬱(ゆううつ)だったのに、今日は起き抜けから身も心も軽やかだ。愉しかった昨日の余韻が、まだ自分の内に残っているからだろう。それとも今日が自分の誕生日だからだろうか。  そんな風に思いながら秋鹿(あいか)が教室に入ると、すぐに久坂(くさか)がおはようと近寄ってきた。 「土曜はありがとな、真賀田(まがた)」 「あ、ううん。こちらこそ、来てくれてありがとう。おば……ハルさんも、久坂君にお礼を云ってたよ」  先週の土曜日、久坂が初めて喫茶店に遊びにきてくれたのだ。厳密に云うと久坂が店を訪れたのは二度目だが、その時には秋鹿は会えなかった。
/292ページ

最初のコメントを投稿しよう!