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ちょっと前までは月曜日はいつも憂鬱だったのに、今日は起き抜けから身も心も軽やかだ。愉しかった昨日の余韻が、まだ自分の内に残っているからだろう。それとも今日が自分の誕生日だからだろうか。
そんな風に思いながら秋鹿が教室に入ると、すぐに久坂がおはようと近寄ってきた。
「土曜はありがとな、真賀田」
「あ、ううん。こちらこそ、来てくれてありがとう。おば……ハルさんも、久坂君にお礼を云ってたよ」
先週の土曜日、久坂が初めて喫茶店に遊びにきてくれたのだ。厳密に云うと久坂が店を訪れたのは二度目だが、その時には秋鹿は会えなかった。
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