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「ハル、明日の朝、パンケーキを作ってくれ」  銀河が鼻先を持ち上げて云う。ハルはにっこりと笑って、 「ええ、そうね。明日は秋鹿もお休みですし、パンケーキにしましょう」 「やったあ、やったー、パンケーキだあ」  茶漬けも尻尾を振って喜ぶ。ハルはカウンターの上の荷物に目を留めた。 「あら、配達の人が来たのね」 「うん。おばあちゃん宛ての荷物、さっき届いたんだ」 「まあ、里谷さんからね」  遠い処に嫁いだハルの知り合いで、時々こうして荷物を送ってくれると云う。中身は和菓子と、檸檬(レモン)や香草を使ったドレッシングの詰め合わせだった。 「檸檬を使ったドレッシングかあ。おいしそうだね」  瓶に貼られたラベルも、凝っていて可愛らしかった。 「さっそく今日の夕飯に使ってみましょうか。サラダにかけて」
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