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二人は店を閉めて、一緒に夕飯の支度をした。檸檬のドレッシングは爽やかで香り高く、とてもおいしかった。
「このドレッシング、すごくおいしいね、おばあちゃん」
「本当ね。あとでお礼の電話を入れておかなくちゃいけませんね」
舌鼓を打ちつつ、秋鹿は今日あったことを話した。説明下手で、良くつっかえるのを、ハルは目を繊めて聞いてくれる。
こんな風に夕飯を食べながら学校での出来事を話すなんて、いつくらいぶりだろうか。父親と別れて、夏紀と二人で暮らすようになってからは、学校のことは全然話せなかった。夜遅くに疲れ果てた顔で帰ってくる夏紀には、迷惑だろうと思った。それに、クラスに馴染めず、友達もいなかったから、話したいこと自体なかった。
此処へ転校してきて、新しい学校にも慣れて、久坂や、他のみんなとも仲良くやっている。だから今は話したいことが毎日いっぱいあるし、それを向かい合って愉しそうにハルは聞いてくれる。数ヶ月前の自分からは、信じられない変化だった。
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