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 夕食の後、ハルは里谷さんに電話をかけ、秋鹿は自分の部屋で宿題をした。宿題を済ませた秋鹿が風呂に入ろうとハルに声をかけに居間に行くと、ハルはテーブルの上に置いた段ボール箱を見つめながら、考えごとをしているようだった。 「おばあちゃん、どうかしたの、」  ハルははっとしたように顔を上げ、 「里谷さんがね、私に荷物を送ったおぼえはないって云うんです」  困ったように眉根を寄せた。秋鹿は箱に貼られた伝票を見下ろした。 「でも、その伝票……、」 「ええ、(たし)かに私宛てになっていますし、送り主も慥かに里谷さんの名前と住所なの」 「何かの間違いかな、」  ハルが手にしていた電話が鳴った。 「もしもし。あら、里谷さん。え? はい、はい。まあ、そうだったの。わざわざどうもありがとう」  また連絡しますと云って電話を切ると、ハルは可笑(おか)しそうに、 「里谷さんからだったわ。旦那さんがね、彼女に頼まれて荷物を送ったのだけれど、間違えて私の住所を書いてしまったんですって」  住所録の欄が、ハルと本来の送り主のものと、並んでいたかららしい。
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