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「ドレッシング、食べちゃって良かったのかな、」
「ええ。あなた、ラッキーだったわねって、彼女云ってたわ。でも今度、お礼に何か送りましょうね」
ハルの安堵したような笑顔に、秋鹿も胸を撫で下ろす。
「おばあちゃん、先にお風呂に入っても良い?」
「ええ。明日のケーキの試作、愉しみね」
明日は何だか普段より早く起きてしまいそうだなと思いながら、秋鹿は風呂場へ向かった。
風呂から上がると、秋鹿jは図書館で借りたファンタジー小説を開いた。昨日は読むことが出来なかったから、今日こそは堪能したい。けれど三ページも読まないうちに、勁い睡気が襲ってきた。文章が頭の中に入ってこず、文字がぼやける。
「もう寝ようか」
銀河に云うと、銀河も睡たげな声で賛成した。
「おやすみ、銀河」
「おやすみ、秋鹿。明日はパンケーキだ」
よほど愉しみなのだろう、秋鹿はふふと笑って、電気を消した。
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