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皆は思う存分パンケーキを食べた。特に銀河は、大好物だけあって小さな躰で秋鹿の倍以上も食べて、なのに躰つきはほっそりとして変わらない。一体どこにあれだけの量のパンケーキが収まるのかと、秋鹿には不思議でたまらなかった。
食事が済むとすぐに助六と茶漬けはパトロールへと出かけていってしまった。
「もう少し休んでから行っても良いでしょうに、ふたりとも張りきっていますね」
ハルが食後のコーヒーを淹れながら云う。
「私たちも張りきってケーキを作りましょうね」
「うん、そうだね」
一杯の珈琲をじっくりと飲むと、二人は予定していたケーキの試作に取りかかった。
秋鹿は胸を膨らませてレシピを見た。ハルのレシピはどれも非常に判りやすい。的確なコツが記されているので、秋鹿が初めて作っても失敗が少なかった。何度も試作と改良とをくり返して出来上がったレシピたちなのだろう。秋鹿もいつかは自分のオリジナルのレシピを作ってみたかった。
ハルの教えに従いながら作っていくと、スイートポテトのケーキはとても綺麗に焼き上がった。
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