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「うん、上手く焼けたわね。上出来です」
切り分け、二人で味見をする。顔を見合わせ、同時に笑みをこぼした。なめらかな舌ざわりと、素材をいかした素朴な甘み。はじめて食べたけれど、ずっと前から慣れ親しんできたようなケーキだった。
「すごくおいしい。何だか安心する味がする」
「これはね、何年か前にも出したことのあるケーキなの。今回、少しばかり改良を加えましたが、以前よりもさらにおいしくなりました。良かったわ」
ハルはレシピに文章を書き加えた。
「お店に出せるかな、」
「ええ、さっそく今日出してみましょうか」
昼食に助六たちは戻ってこなかった。秋鹿とハルはオムライスを食べ、開店の準備をした。
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