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翌日、秋鹿が学校から帰ってくると、配達業者の車が店の前に停まっていた。
もしかして、と、秋鹿は期待をしながら店に入る。すると帽子を被った配達員は荷物を持って、
「どうもありがとうございました」
と、ハルに礼を云い、入ってきた秋鹿にも会釈をして、出ていってしまう。
「お帰りなさい、秋鹿。今、里谷さんへのお礼の荷物を、取りにきてもらったの」
「そう……だったんだ」
秋鹿は溜息をつき、それから先日の配達員と別の人だったなと、気が附く。会社は同じなのに、今日は担当が違うのだろうか。
「秋鹿にも荷物が届いていますよ」
え、と、秋鹿は大きく目を見開く。ハルは笑顔でカウンターに置いていたダンボール箱を秋鹿に差し出した。
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