5

2/17
前へ
/292ページ
次へ
 翌日、秋鹿が学校から帰ってくると、配達業者の車が店の前に停まっていた。  もしかして、と、秋鹿は期待をしながら店に入る。すると帽子を被った配達員は荷物を持って、 「どうもありがとうございました」  と、ハルに礼を云い、入ってきた秋鹿にも会釈(えしゃく)をして、出ていってしまう。 「お帰りなさい、秋鹿。今、里谷さんへのお礼の荷物を、取りにきてもらったの」 「そう……だったんだ」  秋鹿は溜息をつき、それから先日の配達員と別の人だったなと、気が附く。会社は同じなのに、今日は担当が違うのだろうか。 「秋鹿にも荷物が届いていますよ」  え、と、秋鹿は大きく目を見開く。ハルは笑顔でカウンターに置いていたダンボール箱を秋鹿に差し出した。
/292ページ

最初のコメントを投稿しよう!

606人が本棚に入れています
本棚に追加