怪人になってみた

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 くだらん!  仕事も社会も腐ってやがる。誰が日本をこんなつまらん国にしたんだ。イラつくニュースに職場の人間関係。  くだらん!  ならばオレがこんな社会をぶち壊してやる。 「どうだ、ゴリラダー。怪人になった気分は?」  力がみなぎる。なんでもできそうな気分。人間などというくだらぬ器に収まっていたら、こんな高揚感など覚えなかっだろう。  室内は暗かった。ただ、幹部の異様にギラつく目がゴリラダーを照らしていた。 「最高の気分だ! ヒャハハハハ! なんでもできそうな気がする!」  西洋の鎧をまとったゴリラの姿のような怪人。それがゴリラダーだった。 「お前はゴリラダーに改造されたことにより人間を遥かに超える力を得た。銃など小石のつぶて。ゴリラ十頭分の力にゴリラ十頭分の知能。ゴリラ十頭分のバナナ摂取量」 「つまりすごいんだな!? 」  ゴリラダーは会社をやめて悪の組織オンドレに入団し、怪人になった。  もう嫌な上司に頭を下げることもなく、うんざりする仕事をする必要ない。 「では、ゴリラダーよ。早速だが任務だ」 「待て幹部!」  ゴリラダーはそのゴリラの目を光らせた。
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