5人が本棚に入れています
本棚に追加
「他に質問はあるか? それとほうれんそうって知ってるか? 報告、連絡、相談」
「わかっている」
「ならば誘拐する子供の家の地図を渡す。相手はゴルフ場を経営する金持ちだ。遠慮なくいけ」
「わかった」
こうしてゴリラダーは初任務に向かう。
怪人になれた。もうなにも制約はない。圧倒的な力で誰にも屈しない。
ゴリラダーはその子供のいる家に自転車を立ちこぎで走っていた。
辺りから悲鳴が聞こえる。
「か、怪人だ!」
「キャアアアア!」
「車とか持ってないのか!? 」
心地良かった。今まで生きてきて、こんな注目を浴びたことはなかった。
車だと? そんなもんは必要ない。何故ならここは東京だ。なくても充分生活できる。それに車の排ガスは環境に悪い。愚かな人間共よ貴様らには理解できまい。
そして、目的の家についた。高級住宅街にある大きめな家だった。
「ここか」
ゴリラダーは自転車を降りた。
そしてピンポンを押した。
は~いと返事が返った。
そして、しばし。
「なんですか~?」
エプロン姿の女性が顔を出した。子供の母親だろう。
最初のコメントを投稿しよう!