0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
×××
私は屋上で、口に咥えたお菓子を揺らして街を眺めていた。
場所は高校。私は生徒。時は授業中。
言うまでもなく、サボりである。
なぜこんなことをしているかというと、私が不良だから。
なぜ不良かというと、みんながそう思っているから。
原因は目つきが悪いから、地毛が茶色いから、口数が少ないから、態度が若干粗野だから、いつも制服を着崩してるから、等々。
どれもありふれた理由。だからこそ、どうしようもない理由だった。
私は望んでこんな生徒になったわけじゃない。
目つきと地毛は生まれつきなんだから、最もどうしようもない部分だ。ただ、先生に注意された時に「あぁ?」と睨んでしまったのは良くなかった。
元々嫌いな先生だったうえ、いきなり一方的だったからついイラっとしてしまったのだ。
ただでさえ目つきが悪いのに睨んじゃったものだから、なかなか凶悪な表情になっていたというのは後から聞いた話。
最初のコメントを投稿しよう!