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しばらく談笑が続いていたが新郎新婦が退席する。
その際、意味ありげに本田に申し訳なさそうに目配せした東に胸騒ぎがした。
「便所」
「飲み過ぎたんじゃない? 次はキャンドルサービスだから早く戻ってくるのよ」
今朝の遅刻が響いているのか妻の知美に念を押されて本田は席をたった。
会場の外に出ると、一旦メイクを整えてもらっている奈々はおらず、廊下にはあたふたした東がいた。
「今度は何をしでかしやがった」
どちらかと言うと身を挟む以外、今日は何もやらかしていない東。人の事は棚に上げ社会の窓全開赤い褌遅刻男は東を咎めるように見る。
「……」
「早く言え。母ちゃんに怒られちまう」
それも自業自得だと思ったが、何も悪態はつかず東は黙って頭を下げた。
「?」
「……拳銃をとられたっす」
「なにいいいいい?!」
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