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卒論をまとめ終わってから数日後。
事務所に挨拶に行く日まであと1週間といった日。
暇つぶしというか勉強を兼ねてCROWN LOVERのメンバーである折本ヴィンスくんと若宮恵那くんが過去に出演していたドラマ『定かな彼』を観ていると突然スマホに突然電話がかかってきた。
誰だろう。知らない番号。
もしかしたら事務所の人とかかな?と思って電話に出た。
「はい。もしもし。」
知らない番号だから敢えて名乗らなかった。
いたずら電話だったら嫌だし。
「あっ。もしもし。西村さんですか?折本です。」
今ちょうどテレビ画面に映った折本ヴィンスくんの声と全く同じなのでその折本さんだというのはすぐわかった。
『教師のあんたに俺の何がわかるんだよ!』
ドラマの中の折本くんが叫ぶ。
「あれ?俺の声?あ。そのセリフ『定かな彼』だ。今見てるんですね~。なんか嬉しいです。ありがとうございます。」
「い…いえ。お会いする前に少しでも皆さんのこと知らなきゃと思って…。」
突然アイドルから電話がかかってくるというサプライズに驚きを隠せない。
とりあえず、テレビを消した。
「あの…どうして私の番号を?」
「宝石社長に聞いちゃいました。これ、俺のプライベートスマホの番号なので。あとでQINEに友達登録しといてください。トークで仕事用のスマホの番号も送ります」
色々突っ込みどころが。
社長はそもそも社員の…まだ社員じゃないけど…携帯番号勝手に教えていいんかいっ。
あとプライベートスマホと仕事用2個教えられても困る…
「あ…あの。私別に仕事用のだけ教えていただければいいんですけど…」
ただの従業員と雇用主みたいなもんだし。
ちょっと違うけどそんな感じじゃん。
プライベート知ってもなぁ。
「いいんです!雑談と仕事の重要な連絡は別々の方が混ざらなくていいので。とにかく登録よろしくお願いします!じゃ。」
ブチッ。
切れた。
仕事用のスマホからじゃなくプライベートのスマホからかけてきたということはまずこちらを登録しない限り仕事用のを知ることができないってことか…
仕方ない。
登録だけしとこう。
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