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 会ったことのない母方の祖父が亡くなったと電話があった日、バイトを終えコンビニで缶ビールと弁当とヤングチャンピオンを買って1DKのアパートに帰宅すると、ちゃぶ台の前に知らない和装の老人が座っていた。  心臓が飛び出るほど驚いた。  いくら僕の心臓がノミのように小さいからといって実際に口から飛び出しはしないが、過去に経験したことがないほど驚いたのは確かなので、僕の人生で「心臓が口から飛び出るほど驚いた」という形容詞を活用した言葉を当てはめる場面があるとすれば今この時ぐらいだろう。  「なんですか!誰ですかあんた!」  「なんですかって、おじいちゃんだよ」  老人はそう言うとこちらを向いて唇を引きつらせた。  笑ったのかもしれない。
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