確率の問題 死刑囚編

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俺に死刑判決がでた。しかし普通の死刑ではない。俺の死刑執行は抽選で決まる。毎日くじ引きが行われて、それに当たると死刑執行される。世界一当たりたくないくじ引きだ。 俺と同じ死刑囚が今は120人ほどいる。つまり当たる確率は120分の1だ。ここにいる囚人みんなの願いは新たな死刑囚が増える事だ。人が増えればそれだけ死刑になる確率が下がるからだ。俺も組長の死刑執行の確率を下げたい暴力団に依頼されて故意に死刑判決を受けたのだ。この方法が実行される前は30人ほどしか死刑囚はいなかった。その時と比べると確率は4分の1に下がっている。今では誰もが死刑執行をどことなく別世界の出来事のように感じていた。俺も自分に当たる事は無いような気がしている。 判決がでた次の日の抽選に俺は当たった。
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