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「その手は何だよ俺のシャツ掴むの止めてくんね? こっちはもうさっさと部屋に戻って勃っちまったもんの処理がしてぇんだけど。それも一人寂しくな。あーあ本当に残念だわ、俺が勝ってたらお前の中をこれでめちゃくちゃに突いて擦って指じゃ届かないような奥の方までゴリュゴリュって、すげぇ気持ち良くしてやれるのに……なあ?」
「あ、ぁう」
想像だけで興奮したのか、ぴゅっと何かを零す太郎のタロウ。
「一人じゃ絶対に気持ち良くなれない場所を、お前の好きな体位で。前から後ろから何なら立ったままでも……俺なら、太郎が今一番欲しいモノをいくらだってあげられるのになぁ」
「――なあ、太郎?」
***
次の休日。
充陽から彼女を紹介してもらう約束で外出した太郎と(勝手に付き添う)俺。待ち合わせしたカラオケボックスの部屋にはOLだという女二人と充陽がいた。
彼女らは太郎が愛読しているネット同人作品の作者で、その世界では有名な美人姉妹BL作家らしい。
ファンである太郎の興奮はもちろん凄かった。
が、すぐに相手の方がそれを上回っていることに気付く。二人は俺と太郎の関係を、充陽からそれはもう詳しく聞いていたそうだ。
「きゃーっリアル学園BL! 嫉妬深い美形不良×お馬鹿でエッチな平凡、しかも初めてが襲い受けだなんて。本当に素晴らしいわ太郎くんあなた何なの、何という理想の逸材。これはもう早速二人の愛の物語(BL作品)を世界に広く知らしめなくては」
「そうよね、いっそここは小説とコミックの同時配信でいきましょお姉さま。二人をモデルに流行りの異世界ものやオメガバース設定はどうかしら。ああ、創作意欲がいくらでも刺激されて溢れ返りそうよ」
「ひいいっお願いだから止めてえ!?」
「俺たちがモデルだと分からなきゃ別に良いですよ。あ、この動画、参考資料に見ます? 俺と太郎のハメ撮りしたやつなんですけど」
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