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そう言って密かにスマホで撮影した動画を見せてやる。
「……ブフウッ」「……ゴフウッ」
「ああっ、お二人の綺麗な顔が鼻血と吐血塗れに! 何ちゅーもんを女の人に見せてんだよ弘毅、つかハメ撮りって何!?」
「こないだ太郎が男と男の真剣勝負に負けて、俺に『お願いだから犯してください』つって可愛く必死にお強請りしたときのやつ。お前も見るか?」
「は?」
「えーそぉんなことしたの太郎くん。どれどれぇ。おっと、何だよ俺にも見せろよ弘毅」
思い切りぶん殴るつもりで出した拳を紙一重でかわす悪友。
「チッ、避けんじゃねーよ。……最高にエロ可愛らしい太郎の姿を、腐った女相手ならともかく俺以外の男に見せてたまるか。おら、分かったらそこの二人を回収してさっさと消えろ」
「こ、これぞ溺愛攻め……ぶほぉっ」
「嫉妬そして独占欲、ヤンデレ監禁コース……げふうぅ」
「まあ、腐女子なお姉さんたちも限界みたいだし別に良いけどさ。ここで太郎くんと致しちゃうつもりなら延長料金は弘毅が払えよ」
じゃあな、とよろめく二人の肩を抱いて部屋を去る充陽。
監視カメラ越しに覗かれてるかもしれないこんな場所で誰が致すか、愚か者め。
去り際、女どもが名残惜しそうに見つめてた肝心の太郎は、さっきからずっとソファに座り込んだままスマホの画面を凝視している。
ん? 顔も耳も首もやけに赤いな。まさか自分のハメ撮り動画が恥ずかしすぎて発熱してるんじゃねぇよな。
「太郎」
「ぃきひゃああァアんっ!」
肩に軽く手を置いただけで奇声が上がる。ていうか今これ……え。
ぷるぷる震えながら俯く太郎。スマホを離した両手はまるで俺から隠すように自身の股間を押さえている。やっぱりな。
「太~郎、自分のやらしい姿を見てそんなに興奮したのかよ。それともまた俺にシて欲しくて我慢出来なくなった? ちょっと肩を触られただけで……イっちゃうなんて太郎の変態」
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