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「……おっ、おい、新作、なんでお前が家などいるんだ?」
「そ、そうよ、別に家を買わなくても、テナントでもいいんじゃない?」
「そうだぞ、新作。母さんの言う通りだ。わざわざ、大きなローンを組まなくても、店舗付き賃貸でもいいんじゃないのか?」
「それに新作、あんたはまだ独身でしょ? 彼女もいるようでもないし、結婚してから、生活が安定してからでもいいんじゃない?」
「うん、そうそう、新作。母さんの言う通りだ」
取りあえずは、まあ、こんな感じでね。僕は家の両親に述べたよ。
とにかくね、まだ結婚すらしていない、独身の僕が、何故家がいるのかと言われたね。
それこそ家の両親は、店をしたいだけなら、貸し店舗で良いのではと、述べてきた。
だから僕は、あああ、やはり家の両親は、こうきたかたと、思ってしまったもんだ。
あああ、どうするかな? とは思うけど。
まあ、当たり前と言えば、当たり前だから。僕も両親に言われる覚悟はしていたから大丈夫なのだが。
でもね、何度も述べるけれど、子供の頃からの夢だから、僕も再度、両親の説得を試みた。
「でもね、僕は、お店をするのが夢だったんだ。だって母さんには、何度も述べた筈だよ。子供の頃からの夢……母さんも、覚えている筈だ……」
「まあ、確かに新作が、子供の頃から言ってはいたけれど。せめて結婚してからにしなさい」
「そ、そうだ、新作……母さんの言う通りにしろ。取り敢えずは結婚したら、また話しを聞いてやるから。今回は我慢して、余り借金を作らないようにするんだ。良いな分かった、新作……?」
「じゃ、家を購入して一年以内には、軌道にも乗せるし。嫁さんもちゃんと貰うから。二人共それなら良いだろう?」
ううう……僕は両親に述べてやったよ、子供の頃の夢だったんだと。それにさ、店を一年以内に軌道にも乗せるし。奥さんもちゃんと貰うとね。
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