1人が本棚に入れています
本棚に追加
康子はそうメッセージを送った後、天井を見上げた。健太には真意が届いたのだろうか、。もしかしたら偽善的な自己陶酔として受け取ったのかもしれない。しかし今は正確に伝わらなくてもいいと思っていた。
「そうですね。楽しみにしてること……ですか」
健太は考え込んでいるらしい。やや間があって、マンガを楽しみにしていると打ち明けた。
「だったら、新刊の発売日まで生きなきゃね。何ていうマンガ?」
「え?」
健太からはそうメッセージを送られてくる。顔文字で驚きを表していた。そして彼の返信にはさらにこう書かれていたのである。
「あかりさんの新作ですよ。また、マンガ見せてくださいね」
「描けたら見せるね」
康子はそう送った後、頭を抱えた。あかりと違って、康子はマンガを描いたことなど一度もないのだ。描かずとも歪な輪郭が目に浮かぶようだった
最初のコメントを投稿しよう!