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私が後ろをふりむくと、そこにあったのは、まばゆくきらめいている太陽。
もちろん、まだ酸性雨は降り続いている。
この世界のほんとうの太陽は、50年以上前からドス黒い雲に隠れてしまい私たちにその光を拝ませてくれるのはほんのわずかな機会である、はず。
今日も例外ではなく、あたりには暗雲が立ち込めていた。
けれども、そこにあったのは、すべてを優しさで包み込む温もりの光だった。
私とアポロとプロメは、ニンケイのキャラバンの馬車の中で産ぶ声をあげた。
アポロが最初に生まれ、プロメが次に産み落とされた。
そして最後に、101年前私がこの地上にニンケイとして生を受けたのである。
それぞれの親がなかの良かったおかげもあり(というより、流浪の民であるニンケイたちは仲間意識が非常に高かった)、私たち3人はまさに兄弟妹のごとくキャラバンで育っていたのである。
私たち3人は、それからというもの切っても切れぬ深き縁で、ときにはそばに寄り添うものとして、ときには互いに敵対するものとしてこの100年あまりの年月を生きのびてきたのであった。
そして、今回も。
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