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「フフフ、そんなこと言ってもらえるとうれしいなあ。
キミはほんとうにいい子だね、アルテミジア。
ボクのお気に入りのアルテ。」
ああ、アル博士、やっと会えたわ!
地下広場の天井を突き破るとそこには、巨大な戦艦が見える。
「ふふ、皮肉なものね。
アル博士の戦艦は、いったいあのオバサン皇帝の熱気球の何倍大きいのかな?」
「ちょっと待てい、ニンケイの娘よ、これはアルバラークの船ではない。
この船はこのワシ、クラブの最高傑作、移動蒸気要塞スチームじゃ!」
そう叫ぶのは、白い長ヒゲをたくわえた老人、コント国のクラブ王。
「コント職人のオジサン、アンタには用はないわ。
アタシが興味あるのは、アル博士だけ。」
「な、なにを、この小娘、生意気な口を聞きおって!」
あらあ、高血圧そうなオジサン、顔を真っ赤にしちゃって、もう倒れちゃいそう。
「陛下、違うんですよ。
これはコントです。
ただのじょうだんです。
じょうだんやに対抗するためには、我々もエスプリの効いたじょうだんをたしなむ必要があるのです。」
「なんだアルバラーク、そういうことか。
すまぬな、娘。
なるほど、そうして聞いているとオマエさんのじょうだんはまことにこっけいじゃ。
よきかなよきかな。」
ふふふ、このオジサン、自分がアル博士に操られていることもワカラナイのね。
ほんと笑える。
それにしても、アル博士はほんと優しい嘘をつくのがうまいわ。
同じ嘘をつくにしても、アイツとは全然違う、
そう、アポロニウス、あなたのヘタな嘘はバレバレなのよ。
そう、バレバレ。
え?
なんだか背中が妙に熱い。
なに?
まさか!?
(そう、そのまさかよ。)
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