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俺が部屋に戻ると、豆丘さんはすーすーと寝息を立てていた。
(……疲れてたんだな)
そう言いつつ自分も欠伸が止まらず、思わず苦笑する。(俺も寝よ)
と、冷房のタイマーを設定し椅子に座り、そして机に突っ伏した。
(なんか学校で居眠りしてるみたいだな)
なんて思いながら俺は眠りの世界へ旅立っていった。
無機質な電子音が周りの人間に朝だと知らせを出す。
びくっと体が跳ね、手探りでスマホを見つけ目覚ましを消した。
「……ん」
と体をのそりと動かし欠伸をしている男の目に覇気はない。
眠りに落ちてから4時間も経っていないのだ。
無理もないだろう。
「あーすげぇ眠い……」
のろのろと立ち上がり、ハンガーにかけられた制服を手に取る。
そして着替えようと短パンに手をかけた瞬間、彼はこの部屋に今一人じゃないことを思い出す。
布団の方を首をやると、まだ熟睡中の豆丘木葉がそこにはいた。
彼はそちらを気にしながら手早く、裾に足を通し袖に腕を通す。
そうして着替えが済むと彼はため息をつき、「家での着替えで疲れたのは初めてだな……」と机の上のスマホで時間を確認する。
いつものペースなら間に合う時間だった。
ぐぐっと伸びをして、彼は階段を降りた。
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