②きみの心に近づきたくて

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 怪訝そうに片眉を持ち上げる宙斗くんに、私はコクンッと頷き「うん」と言った。 「男子って、女の子にモテたらうれしいものでしょ?」 「俺は迷惑だ」 「ははは……」  私は空笑いを浮かべる。  まあ、宙斗くんはそうでしょうよ。けど、一般論で言えば女の子が嫌いな男子なんていないと思う。 「宙斗くんみたいにカッコいい人が女の子を嫌いになるなんて、なにが原因なの?」 「お前、俺をどんなヤツだと思ってる?」  質問が質問で返ってきたと思ったら、宙斗くんの視線が珍しく私に向けられる。その瞳は息を呑むほど澄んでいて、それでいて冷たかった。  私は戸惑って、やんわりと視線をずらしてしまう。  なんでだろう、怖い。なんとなく品定めされているみたいな感じがして、答えによっては宙斗くんはもう心を開いてくれないかもしれない。そんな気がして怖かった。 「どんな人、なんだろう……」  言われてみると、私は彼のことをなにもを知らない。学校ではクール王子なんて言われているけれど、女嫌いが空回りしてさっそくトラブルに巻き込まれていたり。うまく立ち回れない、ちょっと不器用なところがある男の子。 「合えばあうほど、わからないんだよねぇ」  思ったまま、唇から言葉が滑り出た。宙斗くんは「は?」と目を丸くする。     
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