②きみの心に近づきたくて

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 私は美代のメモをビリビリに破いて、窓の外へサッと捨てる。  窓際の席でよかった~。あ、紙がひらひらと桜みたいでキレイだなぁ。  そんな呑気なことを考えながら、私は宙斗くんの笑顔を思い出してこっそり微笑むのだった。  昼休み、チャイムが鳴ったとたんに教室から逃げ出そうとする宙斗くんの前に、私は立ち塞がった。 「なんだ」  迷惑そうな顔で、私を見下ろす宙斗くんにリボンを差し出す。このリボンは私たちの手の代わりだ。なので、いつもポニーテールだった髪は下ろしたままである。 「一緒に食べよう?」  〝逃げるな〟という気持ちを込めて、満面の笑みを浮かべる。すると宙斗くんは「ぐっ」とうめいた。 「はぁ……わかった」  しばらく葛藤したのか、諦めたようにリボンを握る。  偉い、偉い。  どこへ逃げたって宙斗くんの取り巻きの女の子たちは、私たちの関係がはっきりするまで追いかけてくるだろう。だったらできるだけそばにいて、私たちが恋人だってことを納得してもらったほうがいいもんね。 「あのね、一年のときも同じクラスだったから知ってると思うけど、私の親友を紹介するから」  私は宙斗くんを自分の席に案内する。昼休みは席が近いこともあり、楓と美代の三人で席をくっつけてお弁当を食べるのが日常だ。     
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