②きみの心に近づきたくて

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「なんでだよ、お前の親友なら俺には関係ないだろ」 「なに言ってるの! 私の好きな人に大切な親友を紹介するのはあたりまえでしょう?」  ――って、どさくさに紛れて好きって言っちゃった。うわっ、恥ずかしいっ。  顔に集まる熱を、私は空いた方の手でパタパタと扇ぐ。 「そういうもん、なのか?」 「そういうものなの。宙斗くんにも、私の大事な人たちを好きになってほしい。そうやって、誰かと繋がっていくんだよ」  でも、宙斗くんは……。俺はひとりで構わないって、言うんだろうな。  そう思っていた私は、次の言葉に耳を疑った。 「……わかった」  たったそれだけ。でも、そのひと言がうれしかった。宙斗くんが私の言葉を受け入れてくれた気がしたから。 「おう、来たかカップル」 「カップル、ねぇ」  軽く手を上げる楓に、意味深な言い方をする美代。私たちは先に席に着いているふたりの前に一緒に座った。 「麻生に、宮原……だな」  若干、美代の名前を呼ぶときだけ、ためらったような気がするけど、ちゃんと話してくれてよかった。女の子嫌いで大変だと思うけど頑張れ、宙斗くん。 「楓でいいって」 「私も美代でいいわよ」  ふたりも宙斗くんの無表情に動じず、フランクだ。 「わかった。楓、み……宮原でいいか?」     
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