③クール王子の秘密

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 挙動不審だった件については、明日ふたりから事情聴取を受けるだろうが致し方ない。今はいろいろ緊急事態だ。  別に運動が得意でもない私は、よろめきながらあのお店の前にやってくる。そこに彼の姿はなくて、ホッとした。 「やっぱり見間違いだったかぁ~。こんな可愛いを取り揃えたようなお店に、あのクール王子がいるわけな……い」  そこまで言いかけて、私は口をつぐむ。お店の中、ちょうど私の目の前でウサギとクマのキーホルダーを両手に持ち、真剣に悩んでいる様子の宙斗くんの姿を目撃する。私はおもむろに店内へと入り、彼のうしろにポジショニングした。 「ちょっと、そこのお客さん」  彼の肩に手をかけて、そう声をかけた。 「はい……あっ!?」  振り返った彼は、私を見て驚愕の表情を浮かべる。  ――現行犯逮捕だ。私は無言で彼の手元を指さし、どういうことか説明して、とばかりに凝視する。 「なんでここにいるんだよ」  視線を明後日の方向へ向けたまま、八つ当たりをしてくる宙斗くんを私はキッと睨む。 「そんなことは聞いてません」  私はただ、理由を知りたいだけだ。  女の子が嫌いで、可愛いものが好き? ますます、高杉宙斗という人がわからない。  宙斗くんはしばらく渋っていたけれど、ついに決心を固めたのか不本意だという顔で口を開く。     
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