③クール王子の秘密

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「はい、どうぞ」  私が差し出したキーホルダーを手が触れないよう、包装の端を摘まむようにして受け取った宙斗くん。  気に入ってくれるといいな。  彼が包装を開けるのを、どこかワクワクしながら見守っていた。 「これ、なんで……」  ウサギとクマのキーホルダーを手に、宙斗くんは信じられないといった様子で私を見た。 「これ、買おうとしてたでしょう? さっきは過剰に驚いたりしてごめんね」 「い、いや……お前が謝ることじゃないだろ。あの反応が普通だ」  キーホルダーを大事そうに両手で包む宙斗くんを見て、胸が温かくなる。気に入ってもらえたみたいで、よかった。 「確かに驚いたけど、私も好きだよ。可愛いもの」 「女なら、それでもいいだろうが……」 「男の子が可愛いものを好きになっちゃいけないなんて、そんな法律ないじゃん」  そう言ってベンチの上で体育座りをした私は、どこまでも澄み渡る青空を見上げる。 「法律って、極端なやつだな。俺が言ってるのは体裁の話」 「人のことなんて、関係ないよ」 「え?」 「宙斗くんの大事なものを誰かが笑っても、私が怒ってあげる。だから、自分の好きなものに引け目を感じることなんてないんだよ」     
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