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「はい、どうぞ」
私が差し出したキーホルダーを手が触れないよう、包装の端を摘まむようにして受け取った宙斗くん。
気に入ってくれるといいな。
彼が包装を開けるのを、どこかワクワクしながら見守っていた。
「これ、なんで……」
ウサギとクマのキーホルダーを手に、宙斗くんは信じられないといった様子で私を見た。
「これ、買おうとしてたでしょう? さっきは過剰に驚いたりしてごめんね」
「い、いや……お前が謝ることじゃないだろ。あの反応が普通だ」
キーホルダーを大事そうに両手で包む宙斗くんを見て、胸が温かくなる。気に入ってもらえたみたいで、よかった。
「確かに驚いたけど、私も好きだよ。可愛いもの」
「女なら、それでもいいだろうが……」
「男の子が可愛いものを好きになっちゃいけないなんて、そんな法律ないじゃん」
そう言ってベンチの上で体育座りをした私は、どこまでも澄み渡る青空を見上げる。
「法律って、極端なやつだな。俺が言ってるのは体裁の話」
「人のことなんて、関係ないよ」
「え?」
「宙斗くんの大事なものを誰かが笑っても、私が怒ってあげる。だから、自分の好きなものに引け目を感じることなんてないんだよ」
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