④初めて手を繋いだ日

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 女子たちは顔を見合せて図々しくも私と宙斗くんのデートに参入しようとしているみたいだ。それからあれこれ会議をして結論が出たのか、いっせいに私の方を見る。  ──怖っ!  集まる視線はまさに、獲物を狙うハイエナのよう。 「日曜日、ふたりがデートしてるところを見せてくれたら信じるよ」 「私たちが偵察にいくから!」  この人たち、平然と言ってるけど物凄い要求だなぁ……。  私は唖然としながら、彼女たちを見つめる。  宙斗くんがデートをしてくれる可能性は限りなく低いけれど、私に拒否権はないのでここは素直に従うしかないだろう。 「でも、宙斗くんにも日曜日の予定を聞かなきゃいけないから……」 「じゃあ、放課後までに返事ちょうだいね」  言いかけた言葉は、私を囲む女子のひとりに遮られる。  なんて強引なんだ……。彼女が出来ようと潰えない宙斗くんの人気。さすがはクール王子、偽装彼女としてはかなり迷惑だ。  女子たちはそれだけ言うと、蜘蛛の子を散らすように自分の席に戻っていく。 「つ、疲れた……」  くたりと私は机に突っ伏すと、追い打ちをかけるように美代と楓が「まぁ、怪しいわよね」「怪しいよな」と声をそろえて言う。   私からは女の子が壁になっていて姿が見えなかったけれど、美代と楓は一部始終を自分の席から見ていたらしい。私は少しだけ体を起こして、ジトリとふたりを睨む。     
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